No. 71: オピニオン100!PART2〜和食党・洋食党、あなたはどっち

◆ 校種 ◆
小学校
◆ 教科 ◆
総合的な学習の時間
◆ 学年 ◆
5,6年
◆ 時間数 ◆
5時間
◆ 教科書 ◆
なし

授業の概要
あるテーマに対して、インタビュー調査を行い、その結果をグラフ等に図表化し分析する。100人に聞くことによって、数値を割合で表しやすくなることに気づくとともに、インタビューの仕方などの取材法を身につけることができる。また、メディアを活用して、データの表現の仕方を工夫したり、データの分析結果と自分の意見を整理して話したりすることができる内容である。

教科の目標
・身近な人からインタビューして集めた情報を集計し、分かりやすく表現することができる。
・たくさんの人に意見を求めることで、その傾向性を見つけたり、類型化したりして、情報を整理し、自分の意見と比べながら話し合うことができる。

情報教育目標リスト(2011年版)
 ◆A51b3-010: 表から、題意に沿った適切なグラフをつくる〔技能〕
 ◆A51b3-040: 情報を分類・整理した表やグラフを読み取り、気づいたことや考えたことを書き出す〔行動〕
 ◆A51c3-020: 自分の考えが効果的に伝わるよう、図表やグラフを用いる〔行動〕
 ◆A51c3-030: 発表する意図に合う適切な写真やイラストを選び、プレゼンデーションする〔行動〕

学習の流れ

写真1【スーパーでインタビューしながら書き込む子ども】

写真2【学校でインタビューしながら書き込む子ども】

写真3【教室でインタビューの練習をする子ども】

写真4【提示装置を使いながら発表する子ども】

STEP1
○ たくさんの人に聞いてみたいことを出し合い、ワークシートに書く。(0.5時間)
・ 自分たちの身近な人や地域の人など、たくさんの人に聞いてみたいことを出し合う。
・ 2つの答えのいずれかを選ぶような形で相手が答えやすいものをテーマに考える。
・ よりくわしく聞くために、選んだ理由を聞いたり、それに関連した質問をしたりする。
<テーマ例>:
・ 和食党・洋食党、あなたはどっち?
・ 輸入自由化に賛成・反対、あなたはどっち?

STEP2
○ どこで、だれに調査するのかを決め、計画を立てる。(0.5時間)
・ その場で聞いてすぐに答えてもらえるような質問項目を考え、ワークシートに書く。
・ 調査をする前の自分の答えもワークシートに書き込んでおく。
・ だれが、どこで調査するかなど、時間や場所を決め計画表に書く。
・ 聞く人に分かりやすく、失礼のないような話し方を練習する。
・ 質問内容を画用紙に書くなど、答えてもらいやすい工夫をする。
・ 100という数をそのまま%で表示することができることに気づかせる。コンピュータを使ってデータを図表化する際は、表計算やプレゼンテーション用のソフトが必要となる。ソフトによって操作の仕方も違うので、そのためのマニュアルや指導が必要な場合もある。

STEP3
○ インタビュー調査に出かける。(1時間)
・ 人のたくさん集まる場所や街頭でインタビュー調査をする。
・ 質問内容によっては、場所を変えたり、聞く年代を変えたりして、たくさんの人の意見を聞く。

STEP4
○ 集めた情報を集計し、表やグラフに表す。(1.5時間)
・ 集めた情報を項目ごとに集計する。
・ 選択した理由を整理し、似たようなものごとにまとめる。
・ ワークシートを使ってグラフに表したり、コンピュータを使ってグラフに表したりする。
・ 調査した結果と自分の意見を区別してまとめ、ワークシートに書く。
・ 時間を考えながら、提示する資料や話す言葉などを見直し、練習する。

STEP5
○ グラフ化したものを分かりやすく提示しながら、自分の意見を発表する。(1時間)
・ 集計したグラフ等を提示装置で大きくうつしながら話す。
・ コンピュータを使ってプレゼンテーションする。
・ 多数派と少数派のそれぞれの理由も提示しながら、結果と自分の意見を区別して話す。
・ 聞き手として、集計した結果をよく見て発表者の意見を聞き、質問・感想を述べる。
写真4【提示装置を使いながら発表する子ども】
オピニオンワーク3,教師用3
・発表の場と時間の設定は、グループセッションやポスターセッションのような形をとったり、朝の会や集会などを利用して順番に発表していく形をとったりしてもよい。

まとめ
・インタビュー調査の結果をグラフ等に分かりやすく図表化することができる。
・100人に聞くことによって、数値を割合で表しやすくなることに気づくとともに、インタビューの仕方を身につけることができる。
・メディアを活用して、集めた情報の表現の仕方を工夫したり、集計した情報の分析結果と自分の意見を整理して話したりすることができる。
・たくさんの人に意見を求めることで、その傾向性を見つけたり、類型化したりして情報を整理し、自分の意見と比べながら話合うことができる。
・提示装置やプレゼン用ソフトを適切に利用して表現することで、相手に分かりやすい表現を工夫したり、デジタル化すると加工しやすいことに気づいたりする。

実践のポイント
・ この題材は、たくさんの人にインタビューすることによって得た情報を分かりやすく集計したり、類型化したりすることを目的にしている。二者択一の問いの他に次のようなものも考えられる。
(例)「小学生100人に聞きました! ○○といえば何?」
   「今、1番ほしいものは何?○○ベストテン(年代別・男女別)」
・ この題材では、ディベートを意識したテーマを取り上げている。自分の考えをはっきりとさせた上で調査にのぞむように指導するとよい。

・ オピニオン100!PART1〜あなたの好きな○○は?〜と組み合わせて使うこともでき、PART1で、インタビューの仕方に慣れたり、グラフ化することのよさを感じたりしているとより短時間で効果的な活動展開が期待できる。