No. 60: 校舎の高さを測る〜調査の信頼性と妥当性

◆ 校種 ◆
中学校
◆ 教科 ◆
数学
◆ 学年 ◆
3年
◆ 時間数 ◆
4時間
◆ 教科書 ◆
縮図の利用

授業の概要
教科書には,池をはさんだ2本の木の間の距離を測ることや実測の困難な建物の高さを測ることを,相似の考え方を利用した縮図の利用での練習問題がある。しかし,実際に縮図を利用した計算でもかなりの誤差が出てくる。本教材では,教科書の数値は使わずに,グループで協力し,実測された数値を元に実際の建物の高さを縮図を用いて測り,その結果を発表し,縮図利用の際にどのようなことに注意し,相似関係がどう利用されているかを学習させる。

教科の目標
・図形の相似や三平方の定理について、観察、操作や実験を通して理解し、それらを図形の性質の考察や計量に用いる能力を伸ばすとともに、図形について見通しをもって論理的に考察し表現する能力を伸ばす。

情報教育目標リスト(2011年版)
 ◆A51a4-020: 見通しを持って、調べる計画を立てる〔行動〕
 ◆A51d4-030: 課題解決に必要な情報が収集できたかを振り返る〔判断〕
 ◆A51d4-040: 論理的に構成できたかを、振り返る〔判断〕

STEP1
・縮図作成の基本を知る。
・校舎の高さを測るための準備
・測定用具の計画・作成
・主体的に話し合わせる
・ワークシート1

STEP2
・縮図作成のためのデータ採集
・主体的に測定させる
・ワークシート1
・分度器
・作成した測定器具
・メジャー数本

STEP3
・班別に校舎の高さを縮図を使って求める。
・推測値算出の方法を話し合う。
・推測値の妥当性を班毎に話し合う
・床から天井までの高さなどヒントを少し与え,推測値が妥当かどうか考えさせる。
・図が利用される場面を教師が調べておく

まとめ
・直接測定することが困難な距離や高さは,職図の利用によって求めることができる。
・その信頼性について考え,望ましい職図の利用を考える。

実践のポイント
・本教材は,相似関係の概念獲得後,「相似の利用」単元で行うことが望ましい。
・データ作成中に出た疑問はできるだけワークシートに記入させ,後の討論に生かさせる。
・校舎の高さは同じ場所で測らせ,その方法は各グループに任せておく。測定器具を作った場合には,その器具の正当性や妥当性を言えるようにさせておくとよい。
・教師は測らせる校舎の高さを,学校設計図などであらかじめ調べておく。