教員のための情報教育FAQ

登録番号:C05-009  E:機器の操作・指導

Q. 遠隔地にいる人とテレビ会議で繋ぎ、ICTを活用している場面を見ました。準備はどのようなものが必要なのか教えてください。

A. 遠隔共同授業では事前の打ち合わせやICT環境の整備が必要です。

具体的には次のことに留意することが大切です。

1.「児童生徒への指導」交流の目的を明確に
2.「打ち合わせ」交流を行う相手との連絡調整
3.「ICT環境の整備」使用する通信機器やネットワークの確認
 事前の準備をしっかりとし、相手方との打ち合わせや学習環境の不備が子供の活動の妨げにならないようにしましょう。

1.児童生徒への指導

テレビ会議システムを使った授業に慣れている児童生徒は少ないでしょう。次のようなことを丁寧に指導する必要があります。

◆テーマと活動
テーマが決まれば「交流したい」「伝えたい」という思いをいかに引き出すかがポイントとなります。

◆話し方
周囲の声が入ってしまうと発表者の発言が聞き取りにくくなります。発表時は無関係な人は話さないようにさせましょう。

◆聞き方
カメラ越しでは発表が相手に伝わっているかが分かりにくいので、伝わったかどうかの反応をしっかりとしましょう。「いいと思います。」「分かりました」などの反応が必要です。

◆カメラとマイクを意識した立ち位置
相手校との一体感をもった授業を行うためにも、視線を一致させることが大切です。カメラに向かって発表できるようにさせましょう。

◆資料の提示
カメラ越しの会話だけでは伝わりにくいこともあるので、小型のホワイトボードなどに自分の考えを整理してまとめさせましょう。

2.打ち合わせ

遠隔合同授業は、通常の授業に比べて多くの時間や手間がかかります。効率のよい準備が必要です。
 機器テストと機器に慣れる意味も含めて、当日使用する機器を使ってテレビ会議システムを使って打ち合わせをすると良いでしょう。

◆打ち合わせの効率化
 打ち合わせの日時を決めておきましょう。スケジュールの空いている時間を調整すると授業に間に合わない場合があります。
打ち合わせを簡略化するために、打ち合わせの前に文書で授業の大まかな流れを共有しておきましょう。

◆情報共有
ICTを活用して情報を共有すると、授業者同士だけでなく情報教育担当者や教務など、関係者全員が授業の流れを把握しやすくなり、報告や相談がしやすくなります。

◆指導案の工夫
 授業のねらいを明確にし、できるだけシンプルな授業計画を立てましょう。最初からお互いの児童・生徒の実態に合わせた指導案をつくるよりも、シンプルな指導案を土台として相談しながら作成しましょう。

3.ICT環境の整備

遠隔合同授業を成功させるためのポイントは、如何に違和感を少なくするかです。次のポイントを押さえながら環境を整えましょう。

◆明瞭な音声を確保する
 教師の発問や児童生徒の発表がしっかりと聞き取れる事が大切です。そのためにも、ハウリングやエコーの対策がされているマイクスピーカーを使用しましょう。 タブレットやスマートフォンを活用する方法もあるように思えますが、一斉授業の形態で「きれいに音声を拾う」ことは難しいようです。

◆視覚情報を共有する
 教師の姿や発表をする児童生徒の姿、板書やデジタル資料など、授業には多くの視覚情報があります。大型のディスプレイかプロジェクタとカメラを用意しましょう。

◆ソフトウェアやアプリケーション
 遠隔会議システムによっては、ファイル共有機能や電子黒板を介しての双方向書き込み機能などがあるものもあります。お互いの学校で使用できる機材やソフトウェア、アプリケーションを確認しておきましょう。

理解度CHECK!

遠隔合同授業を実施するためにICT環境が満たすべきポイントだと思われるものをすべて選んでみましょう。


多様な情報を表示するための大型ディスプレイ
明瞭な音声を確保できるマイク・スピーカー
事前・事後の連絡をとりあえる手段の確保

  ▲ 選んだら を押してください。

テレビ会議を利用した実践の例

テレビ会議をさまざまな場面で活用した例を紹介しましょう。

実践事例1 キャリア教育

海外で働く日本人とGoogleハングアウトで接続をし、海外で働くことの意味と意義を学びました。シリコンバレーとの接続です。

実践事例2 生徒会交流

地域の学校が一同に会して総合的な学習の時間の活動を発表する行事があります。生徒会の代表生徒同士がテレビ会議システムを用いて打ち合わせをしました。

実践事例3 英語教育

福島県にあるブリティッシュヒルズという施設の教師と、テレビ会議システムを介して英語のレッスンを受けました。全8回英語学習のプログラムを行います。

実践事例4 英語教育

上記事例のプログラムの一環で、地域の学校3校と同時に接続し、英語でコミュニケーションを図りました。

実践事例5 キャリア教育 海外で働く日本人

「自分の生き方について考えよう」というテーマで行った学級活動の授業の1シーンです。自分がこれからどのように生きていくかを考え、生きていく上で大切なことに気づくことをねらいとして行いました。その中で、日本と海外を行き来し働いている人へのインタビューをテレビ会議システムを活用して行いました。ニューヨークとの接続です。

実践事例6 教師同士の打ち合わせ

地域3校の合同遠隔授業を行うため、先生方の打ち合わせをテレビ会議システムを用いて行いました。

学習指導要領との関わり

学習指導要領(平成29年公示)

第3 教育課程の実施と学習評価

1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善
 各教科等の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(3) 第2の2の(1)に示す情報活用能力の育成を図るため,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。