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活動を行う上での意識
携帯電話やインターネットの不適切な使い方から生じるトラブルについて,保護者に理解してもらうことを最初のねらいにするとよいでしょう。使いようによっては,児童生徒が加害者にも被害者にもなりかねない「物」を児童生徒に持たせているという「危機感」を保護者の方に抱かせるような流れを組むとよいでしょう。
また,「うちの子に限って…」とか「あの事例は都会で起こったこと。こんな田舎の学校なら大丈夫だろう。」などの思いを保護者に断ち切ってもらうようにすることも大切です。
保護者向け講習会の事前準備
アンケートの実施…事前に保護者と児童生徒の双方にインターネットや携帯電話をどのような状況下で,どのくらい利用しているかをアンケートで調査し,「保護者向け啓発活動」の冒頭で実態を示すとよいでしょう。
保護者向け講習会実施・そのポイント
(1)インターネット利用のメリット,デメリット
携帯電話やコンピュータによるインターネット利用の一般的なメリット,デメリットを伝えます。そして,児童生徒が大人になる頃にはネット利用があたりまえの時代になることも伝えます。
(2)インターネット利用の教育的価値
学校でのインターネット利用の教育的価値を示します。同時に,学校はフィルタリングソフトで教育上不適切な情報を遮断するよう対策を取っていることや,情報モラルの指導も行っていることを説明しましょう。
(3)アンケート結果
アンケート結果を示します。特に,例えば,携帯電話の利用が「電話としての利用」より「メールの利用」のほうが圧倒的に多いことなど,ポイントとなるようなことは強調したほうがいいでしょう。
(4)保護者向けのアンケート結果
保護者向けのアンケートの結果も示し,その中で児童生徒の結果と比較して示すことが大切です。保護者は児童生徒に指導しているつもりでも,児童生徒は全くわかっていないという実態が見えてくるからです。
(5)ネット利用のトラブル・事件
家庭での携帯電話やコンピュータによるネット利用によって巻き込まれてしまったトラブル,事件などがあれば示します。可能な範囲で,自校や近隣の学校で起きた事件を取り上げれば,切実感を保護者に持ってもらうことが期待できます。
(6)学校で行っている指導の内容
学校で行っている指導の内容を説明します。特に情報モラル指導の部分は強調すべきです。
(7)学校でできることと保護者が行うべきこと
学校での指導には限界があり,家庭の協力が必要であることを話します。そして,「ここまでが学校で指導できること・すべきこと」,「ここからは家庭での保護者の指導・支援が必要なこと」と,情報モラルの問題について指導や啓発すべき点に関する役割分担の範囲を伝えます。例えば,携帯電話の取り扱いについて,持ち込みを禁止している学校においては「学校では生徒指導上,携帯電話を学校へ持ってくることを禁止しています。」ということを児童生徒に伝えながら,「保護者は『そもそも,何のために携帯電話を児童生徒に持たせるのか。』を児童生徒といっしょにしっかり考え,検討し,児童生徒への啓発を行ってほしい。」ということを保護者に伝えます。保護者に伝える機会としては,年度当初に学校の指導方針等を伝える保護者会などを活用するとよいでしょう。
(8)いたずら半分でも補導・逮捕
例えば,「威力業務妨害」などの言葉の意味を示し,状況によってはいたずら半分の掲示板等への書き込みであっても児童生徒が補導・逮捕されてしまう場合がある事も伝えます。
(9)「転ばぬ先の杖」の発想で
児童生徒に携帯電話やコンピュータでインターネットを使用させる前に,保護者が児童生徒に伝えるべき事を考えてもらいます。「転ばぬ先の杖」の発想で考えてもらいます。ヒントを学校側から示すことも必要でしょう。

●「〜してはダメ」という否定的な言い方ではなく,「○○のような使い方をするといいよ。」と肯定的に児童生徒に伝え,親子で約束を決める。
●「何か不安に思ったらすぐに利用をやめて,相談してほしい。」という保護者の姿勢も示す。
●新聞やテレビ等で「個人情報漏洩」や「不正アクセス」に関する事件のニュースが報道された時に,同種の事件に自分も巻き込まれる可能性があることに触れ,対策をとることが重要であることを子どもに話す。
●自宅のコンピュータのウィルス対策ソフトのウィルス定義ファイルやフィルタリングソフト,OS,アプリケーションソフトを最新の状態にする作業を子供に見せたりやらせたりする。 |
(10)トラブルが生じた場合の対処法
そのような手だてを講じていてもトラブルに巻き込まれた場合,どのような対応を保護者がとるのか,児童生徒がどう対応すればいいかをヒントを示しながら考えてもらいます。

●身に覚えがない場合,不審なダイレクトメールが来てもそれに応じない。 |
(11)大きなダメージになった場合の対処法
さらにそのトラブルが,大きなダメージになった場合についての対応をヒントを示しながら考えてもらい
ます。( こちらのコラム参照)

●第三者によって掲示板などに,氏名,電話番号,メールアドレスなどの個人情報が書き込まれた場合には,証拠を残してから掲示板の管理者やプロバイダに削除願いを出す。そして,学校にも知らせる。 |
(1)〜(11)の内容以外にも,ネットトラブルを紹介している冊子を利用したり,学校関係者とは違う立場の方に講演してもらったりするのもよいでしょう。
講習会のまとめとその後の対応
(1)小グループに分かれて(学級懇談会など),意見交換の場を設け,意識をさらに高めてもらいます。
(2)講習会の感想を書いてもらい,学校便り等で知らせます。参加しなかった保護者の方にも学校の姿勢を伝えるために必要です。
(3)ネット利用によって起こるトラブルなどを,通信などの形で保護者に紹介していくことも必要でしょう。 |