目次

第  91号: 〜モチベーション、理解・納得、学力って??〜     (2003/05/27)
第  92号: 〜自分をどう表現するか という値段〜          (2003/06/10)
第  94号: 〜教育実習生から見る、中学・高校教育現場〜     (2003/06/24)
第  95号: 〜 教育実習訪問から 〜                  (2003/07/08)
第95-2号: 〜 形だけで終わってはいけないね、情報社会・・・ 〜 (2003/07/22)
第  96号: 〜ひとりの力〜                        (2003/08/05)
第  97号: 〜いろいろな情報化〜                    (2003/08/19)
第  98号: 〜いま、とっても 手巻き がおいしい…!〜       (2003/09/02)
第  99号: 〜失ってはじめて知る健康と情報の大切さ〜      (2003/09/16)
第 100号: (特集1)■ふりかえってみれば、びっくり     (2003/09/30)
第 100号: (特集2)読者の投稿集のため、ワープはおやすみ   (2003/10/14)
第 100号: (特集3)人気記事再編集版のため、ワープはおやすみ (2003/10/28)
第 100号: (特集4)人気記事再編集版のため、ワープはおやすみ (2003/11/10)

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○東北地方に大きな地震がありましたね の(2003/05/27)第91号より
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【kazumi のワープ】
    〜モチベーション、理解・納得、学力って??〜  小田和美
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 1冊の本を買いました。
・政治って何?
・科学者って何をする人なの?
・どうして貧しい人とお金持ちの人がいるの?
・空はどうして青いの?
・愛情って何?
・電話って、どうしてつながるの?
・空気って何?
・人はどうして病気になるの?
・地球はいつまで回っているの?
・1たす1はどうして2なの?
  …………

 質問は、まだまだ続きます。これは、ドイツの子どもたちの質問です。子ど
もの知りたいことって、世界共通なのですね〜(ステキッ!!)そして、これ
らの疑問は、私たち大人にとっても、とっても知りたくてワクワクする魅力的
な疑問です。

 これらの疑問を読み直していると、俗に言う、「理科嫌い」とか「数学嫌い」
なんて、どこの話だろう…と思えてきます。知りたいことって、多くは理科で
あったり、科学であったり、心や体のことであったりします。学習に不可欠の
モチベーション… これは、科学的方面にも、社会的方面にも、十分にあると
いうことなのですね。

 ではどうして、そういったワクワクする疑問を入り口に学んでいくはずの理
科や数学、国語も社会も、いまや体育に至るまで、子どもたちの教科嫌いが進
行してきてるのでしょう…?? いろいろな言い方ができるでしょうが、教科
嫌いを作っている現場はもちろん学校です。でも、学校に責任があるとかない
とかの話しでは、事態は解決できません。だって、これは、社会全体の価値観
が絡んでるからね! 

 私はね、教科嫌いの原因は「とっても簡単なこと」だと思うの。それはね、
「モチベーションに対して、納得を与えていないから!」
 
 こういう疑問に答えるのって、「難しい!」と思っている先生が多いかも知
れないけれどね、納得ってね、正解をキチント知ることとは違うと思うの。「
ここまではわかっているんだ」「その先は、先生も知らないんだ」「調べてみ
ると、もっとイロイロわかるんだ」「こういうことに興味ってるひとって、大
人にもイッパイいるんだ」「いま、人間は、ここまでわかっているんだ!」こ
ういうのって、ものすっごく、納得を与えることだと思うのですよね〜。

 「知ること」「知っていること」ではなく、「知ろうとすること」「知るた
めに調べたり考えたりできること」の方が大切。そのためには、子どもたちの
興味・関心を大事にしながら、時間をかけて、主体的に学んで行ける時間が大
切… 新しい学習観ね! そして、そのために導入されたのが、「総合的な学
習の時間」
 基礎的学力… 学力の低下… これまでの獲得知識中心の学力観から子ども
たちを見ないで、魅力(能力)ある人間とは何か、ということを再度見直して、
安易な学力論議は消えていってもらいたいな〜

 「大人が知って欲しいこと」を、子どもに伝えたり詰め込んでも、消化不良
をおこすのね。そのときは一生懸命飲み込んでいる子も、栄養にはならず、い
つかお腹を壊す。そのうち、教科自体が嫌いになっていく。持っていたモチベ
ーションは、消えていく… でも、本当には消えていないから、クイズ番組や、
物知りになる番組、小学生や中学生を中心に、大流行じゃな〜い! でも、あ
あいう番組、気をつけないと、チョットずつのゴマカシや、ウソ、誤解のもと、
ピンボケのアレンジ… が混じるのね。もっと、本物を知らせたい! 

 この本は、こういった疑問に対して、心込めて、メッセージが返されていま
す。疑問に答えているのは、そういった疑問を小さいころから持ち続けて大人
になって、多くの研究を残した人たち(ノーベル賞受賞者)です。

 たとえば「1たす1はどうして2なの?」
よく聞かれるけど、明確な納得を与えにくい疑問です。この本では、こうなり
ます。「君は数を数えるね。数えるときの自分を、よく観察してみよう。数え
ると言うのはね、ある数から、その次の数に進むことなんだ」。そして、「数
には順番がある」こと、「次に進むということを、「足す1」と表現すること」
、から始まり「数学と言うのは、どんな簡単なことでも全部、特別な言葉を使
いながら、証明しようとする学問なんだ」「数学の世界を、全部知っている人
は、いないと思うよ。とても、大きくなってしまったからね」とか「土星の環
はなぜ、分解しないのだろう…」と考えた人(ラプラス)が、点々が集まった
ときの状態の壊れにくさを研究し、ラプラス方程式を発見した話。「この方程
式を利用すると不思議なことに、すべての人に快適な「電話のネットワーク」
を構築できるんだ」「土星と電話のネットワークなんて、関係ないよね。でも
どちらもラプラス方程式に当てはまるんだ〜!」(これって、モデル化とシミュ
レーションの話よね〜!) それからね、「僕はね、40年間、素数の疑問を
考えているんだ」と、素数の話に移り、論理的な思考の好きな人、好きでない
人の話、それぞれの適性を活かすことの大切さ、数学の美しさ… と話が続き
ます。子供向けに、平易な言葉で語られていますが、話の奥は、とても深くて
美しい。最後に、「世の中には、もっと大事な事がある。それは人間らしいと
いうことだ。僕には、障害者の娘がいる。(中略)僕は、小さいころから学んで
きたすべての数学理論よりも多くのことを、娘から学んだ。娘は私の人生にと
って最上の人間なんです。」と結ばれています。

 すごい!...。これは、エンリコ・ボンビエリ(数学のノーベル賞といわれる
フィールズ賞受賞者)のメッセージです。数学者にならない子も、きっと数学
を好きになり、何より、数の不思議を今でも追い続けている人間を、好きにな
るでしょう。

 ノーベル賞受賞者に聞く 子どものなぜ? なに?
 ベッティーナ・シュティーケル 著
 主婦の友社   \1600

 この本には、そういうメッセージがたくさん詰まっています。あとがきに(感
謝の言葉)には、この本が生まれたいきさつも書かれています。ノーベル賞受
賞者たちの集まる会議のあったある日の午後、上着を脱いだラフなスタイルで、
テラスに腰掛けショートケーキを食べながら「細胞分裂が何の役に立つか」「
戦争がいかに無意味か」といったお喋りを、内気なくらい控えめに、でも好奇
心で目をキラキラ輝かせながらしていたノーベル賞受賞者たちと筆者の間で、
何が起きたのか… ぜひ、皆さんも読んで見てください。





○衣替えの時期になりましたの(2003/06/10)第92号より
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【kazumi のワープ】
    〜自分をどう表現するか という値段〜      小田和美
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 ITCE(教育情報化コーディネータ)の15年度3級の申し込みが締め切ら
れました。応募者数は、昨年度より、何割か増しのようです。
 例年(といっても、まだ2回終わっただけですが…)、3級、2級となるに
従って、教育関係者の方が果敢に挑戦され、企業関係者の方は静か… という
傾向でした。今年は徐々に、教育現場でのITCEの必要性・需要が認知され
出したらしく、「企業ごとの大勢の受験」も目立ちます。学生さんの受験も増
えてきました。喜ばしい傾向ですね。

 ITCEは、1998年8月に発表された「情報化の進展に対応した教育環境の実
現に向けて (情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等
に関する調査研究協力者会議 最終報告)」において、これからの学校教育現
場のシステムとしてきちんと決められた役割(この報告では、情報化推進コー
ディネータとなっている)です。今回の一連の教育改革で進められているイン
フラ整備や法律の改正等も、すべてこの答申に端を発しています(意外と、皆
さん知らないのよね〜!)。
 情報には、ルーツがあります。そして情報社会では、それらルーツの情報の
ほとんどは、すべてインターネット上で公開されており、誰でもがアクセスで
きるようになっています。情報メディアを活用しながら、いかに情報をゲット
し活かし自分の活動に反映させていけるか・・・!! これが情報活用の実践
力ですね〜! 時間に少し余裕があるとき、自分のスキルアップのためにも、
今の教育改革の背景となるそういった情報を読み解いてみると、過去・現在が
よく見えてきて、目指している未来やその意味がわかって来ると思うわ〜!

 ITCEの業務が行えるということは、教育現場・教育行政・情報インフラ
 のどれに対しても深い造詣を持っている(三位一体って言うことね!)こと
です。その力量があるということを客観的に保障しているのが、ITCE認定
委員会の検定試験です。合格者は、(本人が拒否しなければ)インターネット
上に名簿が公開され、日本の教育界を支える軍団として、広く周知されます。
もちろん、日本全国の教育委員会に、その有資格者がいることは必要ですが、
それだけではなく、子どもたちの支援を直接行う教員軍団にも、外からインフ
ラの整備を通じて支援していく企業の方も、ふさわしい力量を持ち、それぞれ
の専門職に活かしていくことが望まれます。先生方は、その必要性をやはり肌
で感じておられから、例年、教員の方の応募がとても多いのでしょうね。

 ITCEの検定試験ですが、3級の受験料が、8千円。2級試験は、あわせる
と1万8000円になります。毎年、試験が終了すると、教育現場の方から受験料
が高い(企業サイドからは安すぎる)といった意見が寄せられます。裏方を知
っているものとしては、答えに困ります。2級の1次では、小論文を、2級の2次
では、受験者が提出したレポートやVTRを、大学の専門の先生方などが、数日か
けて細かなところまで読み、面接試験では、試験会場に来てもらって、ひとり
20分以上の時間をかけて口頭試問します。大学の入試よりははるかに手間が
かかり、時間もかかっています。また、会場費などもあり、決算では、まだま
だ大赤字で運営されていています。実施には、お金がかかるということを、裏
側からみているとよくわかります。

 勉強会が、各地で開かれています。殆どが、この資格をもつ人材を増やして
いきたいと願う有志の手弁当で、無料で開催されています。これらの価格、安
いと思いますか? 高いと思いますか? どう思うかで、思う人自身の、意識
のアリヨウがわかります。この資格の重みを知っている人にとっては、安すぎ
ると思えるくらいの価格です。しかし、取らされる(上司あるいは指導教官に
薦められて・・・)人にとっては、痛い出費かもしれません。

 日本もこれからは、ますます実力主義の社会になっていくでしょう。どこの
出身か、どこに所属しているか、どういう立場か、といった、本人の実質とは
違う部分でその人を見たり評価した時代は、そろそろ終わりです。自分がどの
ような人間か、何ができるか、といったことで、評価される時代になります。
しかしそれは、評価者がどこかにいて、自動的に評価を出してくれる という
受身の社会とは違います。自分はどのような考えで何をしようとしているのか
を、人に示すことが要請されます。

 自分で挑戦し、投資する時代なのです。





○「つゆ」に入っているのでしょうかね の(2003/06/24)94号より
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【kazumi のワープ】
    〜教育実習生から見る、中学・高校教育現場〜   小田和美
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 6月は、わが大学では教育実習の月です。学部4年生・短期大学2年生が、教
育実習に3〜4週間、大学を留守にします。高校・中学(保健体育)、小学校、
幼稚園と、毎年5〜6百人の学生を教育実習に送り出す、教員マンモス養成校
です。カリキュラムが教員免許取得を前提に構成されているので、教員免許取
得が簡単に捉えらえられがちな風潮があります。当然(悲しいことに)、教職を
目指す学生の質はピンキリキリです。

 保健体育科の教職課程にいる学生さんには、「魅力的な保健の授業を行える
教員になりなさ〜い!」と指導しています。教育実習の前は、事前に指導範囲
を聞いて、ネットワーク上から教材を仕込もうとする学生さんで、しばし混み
あいます。
 保健のカリキュラムには、問題解決型の学習に適した課題がたくさんありま
す。面白いけれど、指導するには教員自身、深く広い知識・意識を持つことが
必要です。また、知識伝達が主体になる授業の際にも、メディアを活用すれば、
興味深く面白い授業ができます。肺(タバコの影響を受けてるもの、受けてな
いもの)、心臓、麻薬…
ネット上は、教材資料の宝庫です。教員のメディアの活用ですね。

 今年から高校でも、新学習指導要領がスタートしましたね。実習生のチャレ
ンジに対する実習校の反応も、去年とは違っていました。「ノートPCを教室
に持ち込んで、画像を見せながら授業をしたいといったら、実習に来るまでに、
プロジェクターを購入しておいて下さるそうです」「各教室に、プロジェクタ
ーが設置されています」「教室に、パソコンが置いてあるそうなので、メモリ
ーで教材を持っていきます」そういった報告も、地方によっては聞かれました。
もちろん「うちの実習校には、まだ、何もないそうです・・・」という残念な
声もたくさんありましたが… どうやら、教育現場のインフラ整備も、ピンキ
リキリのようですね。

 今年もいくつか、研究授業を見ましたが、どうも保健の授業は敬遠されがち
です。実習期間中、保健の授業をさせていただけない学生も相当数います。教
科書読むだけだから、別に実習しなくても大丈夫・・・??! 実際、見せて
いただく多くの授業は「生徒に教科書を読ませ、教員が少し補足あるいは整理
して話し、板書をして写させる」という授業が、まだまだ圧倒的に多数です。
そんな中で今年、チョット頑張った研究授業がありました。

 脈拍や呼吸数を測ったり、肺活量計を持ち込んで実際に測定したり、実際に
ペットボトルを持ち込んで教科書に記述されている血液の量を目で見やすくし
たりして、次から次へと飽きさせずに話題を展開していました。教育の情報化
とか、教科の中での情報教育的展開といったことにはまだまだ及ばないけれど
「授業中に生徒を参加させ、考えながら興味を持続させる」という部分では、
成功していました。研究授業後の検討会で、これからの改善として、メディア
の活用や授業全体の組み立てといった話をさせていただき、見送りを受けて帰
ろうとしたところ、その実習生が駆け寄ってきて、小声で訴えてきました。「
先生、本当はもっと、メディアを活用し、グループ活動を取り入れた授業をし
たかったんです。でも、止められて、今日の授業案に妥協したんです。とても
残念です。」というのです。「エッツ??どういうこと?」「授業案を見せた
ら、こういう授業はやらないでくれ、といわれました。僕の授業を見てから、
その路線でやってくれないか? 君がこういう授業をしてしまうと、それが当
たり前だと思ってしまって、後で僕が、やりにくくなるから・・・といわれた
んです。」 アララ。。。

 「実習は、まず場をお借りして、教員としての仕事や役割を、ある程度一通
り体験させていただくのが目標だから、まあ、仕方ないわね。現場も、大変な
んでしょう・・・」と、慰めにもならない指導をして帰ってきました。

 アハハ、現場の先生方の理解度も、ピンキリキリ のようですね〜!



 ※ピンキリキリ:ピンキリではなく、キリのほうが1つ多いの意。





○おりひめと ひこぼし も 雲の中の(2003/07/08)第95号より
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【kazumi のワープ】
    〜 教育実習訪問から 〜            小田和美
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 6月、うちの大学は教育実習期間でした。幼稚園から高校まで、卒業学年の
学生さんが全国に散っていき、教員は分担された実習校を訪問して来ました。
中学・高校で実習をするのは、保健・体育の教員の卵です。実習先では教科の
指導(保健と体育)、学級運営、道徳、クラブの指導…などを学びます。

 数年前、研究授業といえば「体育」の授業でした。「保健の授業を見たいの
よね〜!」と、実習事前指導で話すのですが、学生さんも現場の先生も「保健」
は苦手のようで見せてもらえませんでした。

 2年前から、教育方法という講義の時間数が倍に増えたので「数時間分の単
元学習の、導入の部分の教材を考える」という作業を取り入れています。「保
健の授業ができるかどうかで、プロの教員かどうかが決まるわ!」「スポーツ
インストラクターと体育の教員とは、ぜんぜん違う仕事よ!」などと、ハッパ
をかけながら、「単元ごとに学習指導要領を確認しながら、学習目標を押さえ
ること」を指導しています。「ホラ、保健って、大事な教科でしょ?!」「人
の心や体、人と社会のかかわりなどを、正面から扱える教科って、保健しかな
いのよ!」

 私自身の専門は違っていますが、縁あって体育大学にきたおかげで、「保健
・体育」の学習指導要領を読む機会を得ました。もともと、人間とか脳とか体
とかに興味深々のほうですから、「保健」が扱う領域の多くはとても魅力的で
す。授業中も、人間の体や心の面白話を出しながら「保健って、おもしろいで
しょ〜! 面白くて興味深い保健の授業を、研究授業では見せて頂戴ね〜!」な
どといっているので、研究授業で「保健」をする学生さんが増えてきました。
嬉しいことです。

 しかし「面白ければいい」ワケではなく、「面白さ」の後ろにしっかりとし
た「科学的根拠、正確性」が必要です。また「保健」の授業ですから、教科の
目標をしっかり押さえる必要があります。断片的に見える多くの情報から、人
間の体全体の巧妙さや不思議が浮かびあがり、生徒一人ひとりの中に「自分の
体と心の健康への、意識と制御」を成長させていくことが根幹的な目標です。
思いつきだけでできる作業ではありませんし、教員自身の深い知識・意識・能
力が期待されます。学生たちは、「保健」の授業をやりたいようです。研究授
業を、「体育」「保健」両方する学生も増えてきました。
 だからこそ「意欲・やる気の塊」だけで現場に赴く実習生に、確かな情報を
背景に、「心や体の不思議や普遍性を伝え、興味深く刺激的な授業展開を通じ、
子どもたちに自分自身の心や体を考えさせていくようなわくわくする授業」を
構成していく実際を見せていただきたいと思うのですが…

 「保健ですか?? 研究授業が「保健」では、つまりませんよ。」「教科書
読ませて、まとめるだけですよ。」実際に、現場の先生から聞かれる言葉です。
困ったものです。



 実習から戻ってきたら、学生さんたちと研究授業の反省をします。「何を、
この時間の学習目標においたの?」エッ? と一瞬つまって、返ってくる応え
は、教科書の記述内容をまとめなおしたような回答。

「それを、覚えさせることは、この単元の学習目標とどうつながっていくの?」
「エッ??」「あれ? 指導案作るとき、学習指導要領、見なかったの?」「
…」そこで、文部科学省に接続して、学習指導要領を見せます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youryou/index.htm

「研究授業の単元の学習目標を確認して、内容の取り扱いを調べてごらん!」
真剣な面持ちでしばし画面を読んで、放心したような面持ちで「私、ぜんぜん
違うこと、してきちゃったんですね…」「そこに気づけば、OKよ!」

 OKだけど、困ったものです。本当は、現場の先生が、もっと学習の目標を
しっかり意識して、学生さんにも指導してほしいのだけれどね…





第93号が抜けていたのでチョット調整 の(2003/07/22)第95-2号より
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【kazumi のワープ】
   〜 形だけで終わってはいけないね、情報社会・・・ 〜 小田和美
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 長崎で、中学1年生が幼稚園児を殺害しました。テレビでも新聞でも、連日の
報道が繰り返されました。多くの人がその情報を受け取り、相当事実に近い状
況はつかんでいることと思われます。
 事実を知ると言うことも伝えるということも、難しい作業です。故意に情報
操作をするつもりがなくても、報道には必ず情報発信者のフィルターがかかり
ます。受け取る側も思い込みや先入観・偏見・日和見的発想に邪魔をされ、な
かなか適切な情報処理はできません。だからこそ情報教育では「多面的客観的
な情報の受理」「情報の信憑性の確認」が情報受理の段階での重要な学習目標
になるわけです。

 報道特番といわれるテレビ番組、かつては興味本位・アジテーション目的の
報道が目立ちました。事件のたびに改良はされてきているようですが、どのチャ
ンネルも、同じような内容を繰り返し繰り返し放送し、「確保している時間の
わりに中身がない状況」は、あいも変わらず続いているようです。
 それに対し今回も、インターネット上のマスコミ報道は、なかなか有効でし
た。必要があると私は、インターネット上のいくつかの新聞情報を比較します。
分刻みで、朝刊・夕刊には載らないような情報も、ゲットすることができます。
数社を比較すると、各社のフィルターの色合いや得手・不得手もなんとなく感
じられ、そこから実際を慮ることができます。特集記事を組めるだけの情報を
持っている場合は、大変勉強になる情報を得ることもあります。

 実は今回の報道を見ていて、最初から気になることがいくつかありました。

 ・1年ほど前から(特にここ数ヶ月)、似たような事件(男の子が連れ
  去られる、裸にされる、犬が屋上から投げ落とされる)が起きて
  いたらしい。地元警察は付近の関連施設に情報を提供し、注意を
  するよう連絡してなかったのだろうか?
 ・大人二人子ども二人で買い物に来て、4歳の子どもをなぜひとりで、
  別のコーナーに行かせたのだろう?

 東京は、物騒です。小さな子どもがエレベータや公園の植木の陰で、性犯罪
にあうことも残念ながら毎年起きます。付近に不審者が出たり、子どもが追い
かけられたりする事件があると、学校や幼稚園を通じ保護者にも連絡がきます。
かつては、あまり詳しい情報は「個人情報に絡むから」という理由で知らされ
ませんでした。しかし「注意しなさい」というだけでは不手際です。「実際に
今何が起きているのかを個人情報を漏らすことなく子どもに伝え、自己を守る
意識を持たせることは可能のはずだ」と言うことで、保護者からも希望を出し、
学校も以前より詳しく情報を流すようになりました。
 そういう中で生活している私から見れば、何件も危険信号が発信されている
のに、子ども一人でゲームコーナーにいくという状況自体が、問題を含んでい
るように思えました。その後の報道で「情報を漏らすと犯人逮捕が遅れるから」
と言う理由で、「警察が地元住民に注意を促すための情報提供をしなかった」
ことがわかりました。あきれ果てた事実です。しかし「いかにも日本の警察」
という感想を持った方も多いでしょう。
 結果や統制ではなく育成へと、教育界は変わろうとしています。治療や存命
ではなく未病の医学や生命の質へと、医学界も変わってきています。社会のい
たるところで、個人の尊重や参加・説明義務の流れがおき始めています。多く
の人が情報の主体者であり決定者でもあるのが情報社会です。自分たちの狭い
世界・判断を衆知の中で検討・訂正しながら、それぞれの分野がより自分たち
の専門性を高めていくよう自浄努力を重ねる・・・そうありたいものですが、
それが難しい組織もあるようですね。でも逮捕・検挙が、生活の安全より優先
するとは、時代錯誤もいいところです。ま、そういう体質なのよね〜
 
 中学生の逮捕の際の警察のやり方も、私は異常だと感じています。「学校や
保護者への事前の連絡なしに、子どもたちが校外実習で班活動をしている最中
に、他の子どもがいるところで大人の立会いなしに該当の中学生を連行して行
った」ということです。当の中学生に対しても、その現場に居合わせた友人た
ちに対しても、あってはならないことです。しかし前後して、警察の行動の正
当性を主張するかのように「周到に犯人の特定をしてきた(間違いなく犯人だ
と言える)」「前日まで、厳戒態勢をしいていた(アンラッキーだった)」と
いう情報が流されました。「犯人かどうか」の絶対性は、納得性がある自白や
客観的な判断によって決まることです。たとえ警察が確信を持ったとしても(
そしてそれが結果的に正しかったとしても)、未成年の子どもの連行を、保護
者(あるいは代行者)の立ち会いなく行うというのは、社会のシステムとして
許されないことだと思います。しかし、そういった声は、まだ聞かれませんね
… 

 逆に聞こえてくるのは「保護者、引き回し」とか「14歳から12歳に引き
下げろ」とかいう声。自分たち大人社会の罪を、子どもに転嫁するかのような
論理です。「信じられない」「12歳の犯罪とはショックだ」といいますが、
そうでしょうか?? サイレントベビーの警告が出されたのが既に19年前。
しかし社会はその自分たちの現実を省みることなく、時はあたかも自然に流れ
てきました。子どもの犯罪の低年齢化は、国際社会の抱える現実です。「日本
だけは違う」といえる根拠はどこにもありません。

 こんどの中学生の、小学校時代の様子が、早い時期に報道されていました。
それを知った多くの教育関係者は「その子の心に、なにか問題がある」と感じ
たはずです。なぜ誰一人、当時その子の問題を、問題として捉えようとしなか
ったのでしょう? 「成績優秀な、なにも問題のない子」という言い方が聞か
れました。「そこでいう問題とは何を指すのか」教育界は自分たちの意識の問
題として問い直す必要があるでしょう。
 一方「そんな子は、他にもいる。その子たちが、全員犯罪を犯すわけじゃな
い」という人もいるでしょう。でも、それっておかしくありませんか? 犯罪
に至ったのは、結果です。今回も、このような不幸な結果にならないですんだ
可能性はたくさんありました。「結果、犯罪になるかどうかが重要だ」という
論理では、警察と変わりないですね・・・ 

 たくさんある「ヘルプ」のシグナル(情報)を、親も学校も社会も受け取らず
・受け取れず、その結果、大人の「ショック」に繋がる事件が起きる構図は、
今のままではまだまだ、そしてどんどんエスカレートして続くでしょう。
 同じような問題を抱えた事件が、渋谷・赤坂を舞台にして、すぐその後、起
きました。あの四人の少女も「学校では何も問題のない子どもたち」だそうで
す。髪を赤くするかどうか、ピアスをするかどうか、渋谷に行くかどうか、問
題行動を起こすかどうか、という形を問題にしても、実態は見えてきません。
その子をとりまく環境、その子の心の成長と実際、そういった情報を捉え、人
間として処理・指導していくことが家庭に求められ、教育的に処理・指導して
いくことが学校に求められているのです。たまたま、犯罪の加害者側にまわら
なかったというだけで「社会と自分のあり方や距離を、知らず・判断できず、
方法を誤ってしまった。」という意味では、同じ問題を抱えた未成年だと思う
し、そういう子どもがもっとたくさん、放置されたままでいるのが、現実だと
思います。
 
 叱っても、止めても、効果はありません。情報社会から子どもたちは、あり
とあらゆる価値観を受け取っています。人間としてどう対応していけばいいの
かが、納得の上で身につかない限り、問題は解決されていかないでしょう。未
知なものへの興味・関心、新しいことへの挑戦の意欲、そういった生きる根源
の力を押さえ込むことなく、少しずつ社会を知り順応していくには、もはや家
庭の力だけでは無理なほど、現代社会は複雑多岐に進化しているのも事実です。
だからこそ、教育のプロが必要だし、社会のそれぞれの分野から情報を集中ゲ
ットし教育に活かせるシステムも大切なのです。

 情報社会、形だけで終わらせたくないですね…





○メルマガに 夏休みは ないよ の(2003/08/05)第96号より
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【kazumi のワープ】  〜ひとりの力〜       小田和美
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 昨日(月曜日)、富士山の近くの三つ峠という所に行ってきました。とって
も気持ちのいい一日でしたので、今回は、その話にしま〜す!

 そこには町営の三つ峠グリーンセンターという施設があり、この夏、そこの
三つ峠ふれあい館
(http://www.town.nishikatsura.yamanashi.jp/kikaku/shukuhaku.htm)を
宿舎にして、高校生を中心にした「シンクエストワークショップ」を開催する
ことになりました。

 実は前回、下見に伺ったときに、一目でこの施設が気に入り、ここでワーク
ショップを行うことを決定しました。関西からも関東からも中間地点にあり、
自然の懐の中で快適な住環境が、適正な価格で用意されています。施設が新し
いということもありますが、コテージも宿舎も、自然派思考の木の造りで落ち
着いてユッタリトした雰囲気です(蚋(ぶよ)がでるというのでちょっと心配
なところもありますが)。ロビーや会議室のスペースにもゆとりがあり、プロ
ジェクターや音響などのメディア環境も整えられていて、車でも電車でも、程
よい距離のところです。体験学習のコースや、スポーツ(フットサルやテニス、
武道館など)施設も豊富です。

 でも何より気に入ったのは、その説明に応対してくれた係長さんでした。こ
ちらのさまざまな趣向や催しの意図を聞いて、その実現のために、知恵を出し
てくれました。施設をくまなく案内してくださって、できることの可能性を考
えてくれました。施設が、利用者に最大限に有効活用され喜ばれることを第一
の目標として、そのために尽力しているという感じでした。利用者が、ネット
ワークを活用した研修を行うということは、想定されていない施設で、このま
まではネットワークは利用できそうもなかったのですが、西桂町役場からLA
Nらしいものが引かれているとのことで、「僕はよくわからないけれど、つな
げられると思うので、聞いて見ます。」と手を尽くしてくださり、回線を1つ、
専用に用意するよう手配してくださいました。そこで今日のネットワーク設置
実験に至ったというわけです。

 今日のネットワーク設置実験は、いくつかのトラブルがありましたが、結局
は設置業者と直接に連絡が取れるように係長さんが手配してくれて、結果オー
ライトなりました。他の宿泊グループの活動準備の支援の合間に、何度も作業
中の私たちのところに足を運び、相手の業者さんに何回も電話をかけ、繋がっ
たときは本当に嬉しそうに喜ばれました。1階の事務室にきているネットワー
クの入り口と2階の合宿場の間にケーブルを這わしたのですが、それはここ数
日の休みの間に、きれいに固定してくださることになりました。ケーブルが床
の上を通るために、夜鍵をかける事務室のドアが、閉まりにくくなりました。
無理をすれば、ケーブルが痛みます。「ドアの下を、少し削っておきますよ。」
 まあ〜ッ!! その方にとっては当然のことなのかもしれませんが、とても
新鮮な感激でした。

 「施設全体がその人の手中で、利用者のために活かされている」そんな町営
施設です。現地産のお土産品の仕入れ、ソバうちやウドンうちを指導する地元
農家のおばちゃんたちとの連絡、施設で栽培しているソバやその他の植物… 
そういったことの計画や運営も、彼の手中の中で、活き活きと回っています。
新しいタイプの公共施設が、ひとりの人間の存在で有効に動いているという実
感を、今回も強く感じました。

 彼は、この町営施設内ただ一人、役場の職員なのだそうです。村の活性化の
ために、村の予算と国の補助と半々で、町営のレクリエーション・研修施設を
作ることになり、その実行を任され、「それから半年、何回も何回も東京まで
足を運び書類の細部まで修正修正を重ね、やっとOKになった。」のだそうで
す。「宿泊施設、という目的では認可できないといわれ、現在宿泊所として使
っている部分も、研修室という扱いになったため、各部屋にトイレ・シャワー
をつけることもできなかった・・・ 作りたかった施設(最所の計画)とは、
随分と違う建物になってしまいました」と、振り返り、残念そうにしていたの
が印象的でした。「でも、ここは、計画通りに出来上がって、気に入っている
場所です」というのが、2階の合宿施設に上がってすぐのところにある、広い
ロビーです。集会、作業、簡単なトレーニング…多目的に使えるスペースです。
壁には絵画が置かれ、ホットできるゆとりの空間として機能しています。「出
来上がったら、ここに残れということで、いまもここにいます。」
 そのおかげで、この施設と役場との間には人間ホットラインが引かれ、明確
な目的意識が今も活き活きと機能しながらの運用が可能になっているわけです。

 今日うかがったときは夏休みも始まり、子どもたちのグループが合宿所で活
動し、別のグループはバーベキューで親交を深め、別のグループは製作した草
木染のTシャツを干し、食堂には孫を連れたお年寄りがお昼を楽しみに訪れて
いました。

 全国各地域、このような施設が作られています。想いが活かされ機能してる
施設もあれば、器はできたけれどなかなか利用が広がらない施設もあることで
しょう。その違いを決める大きな要因は、人間の存在 だと思います。西桂町
のこの施設にしても、規模や予算的にはそう贅沢な施設ではありません。しか
し「ひとりの力」は、そんなものよりもはるかに確実に、この施設を魅力的な
ものに輝かせています。多くの全国の施設の設立や運用も、そういった「人間
の力」によってささえられているとしたら、ステキな話です。

そしてこれは、施設だけの話ではなく、私たち社会のあらゆる部分で、いえる
ことだと思います。「ひとりの力」が、その人の周りを変えその外側を変え社
会を変えていく… 教育現場でも、その輪がドンドン広がっていくと、ステキ
ですね〜!!





○ニューヨークは 大停電だったよ の(2003/08/19)第97号より
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【kazumi のワープ】
    〜いろいろな情報化〜              小田和美
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 「ブラスター」が、騒がれています。1ヶ月ほど前から現れていたウィルスで
すね。当初から、マイクロソフトもセキュリティホールの緊急修復を呼びかけ
ていましたが、既知になったウィルスはこまめに対応していれば、さほど焦る
ことはありません。ウィルスソフトを「チャント導入(これって、情報社会の
一員としては当然の義務だと思いますよ〜!)」している人にとっては、ここ
数日のマスコミ総動員での警戒態勢は「なんなのだ〜!」という感じがしない
でもありませんね。

 でも、情報社会のイロイロが見えてくる、面白い現象でもあったわね。「世
界中で、25万台のコンピュータが既に感染!」とは、数日前のニュース。少な
くともそれだけの数のコンピュータは、ウィルス対策をせずに使用されていた
ということね。これは氷山の一角で、実際には何百万というコンピュータがウ
ィルス対策しないまま使用されているのでしょう。「狼の前を裸で横切る」み
たいなことですが、社会全体の認識不足ですね。東京都のS区は、区役所のネ
ットワークコンピュータが感染し、ネットワーク業務を止めたということ。あ
らら… 区役所のような公的で社会的責任を持った機関が、ウィルス対策をし
ていなかったの〜???

 どうしてこんな騒ぎになったのか、十日ほど前に知りました。16日以降、
感染マシンが一斉にマイクロソフトのWebサイトにアクセスをかけるように
プログラミングされているとか。そうなったら、マイクロソフトのサイトはダ
ウン、下手をするとインターネット全体が機能ダウンする可能性があるため、
マイクロソフトも必死に啓蒙に努めたようですね。セキュリティホールの発見
とバージョンアップはマイクロソフト社の経営にとっては死活に繋がる大きな
課題ですが、その作業を、公的なマスコミまでが手伝って、啓蒙に努めた観が
ありました。一般的なニュースのようで、ちゃんと情報は操作されているんで
すね。

 さて、ヨチヨチ歩きのネットワーク社会ですが、しかし確実に、進展してき
ています。1〜2年前に比べると、ネットワーク社会の便利さ・使い心地のよ
さは、雲泥の差。実は先日は、こんなサイトを見つけました!

 「内容証明郵便物」というものがあります。相手に郵便を送る際、送った内
容を第3者が「確かにそういう内容を誰から誰に送った」ということを証明し
てくれる郵便です。後に裁判になったさい、証拠として使うことが出来る郵便
物で、確実に相手に届けられ、送られた方は、無視することが出来ない公的郵
便物です。
 かつては、決まった原稿用紙に決まった書式で(1行20文字以内、1ペー
ジ26行以内)3部同じものを作成し郵便局に持って行くと、郵便局が内容を
確認してくれて、1部は書いた人、1部は郵便局が保管し、1部が相手に送ら
れるのですが、郵便料金は相当高額でした。
 最近、とある事情で内容証明郵便物を出す必要が生じ(この話は、また今度
ね〜!)、どのように出すのかをネット検索して調べました。弁護士さんとか
相談所とか諸々のサイトで、書き方やら活用方法やら説明されていました。昔
とはちがって、紙は自由になっていました。3部作成も、コピーでOK。「時
代の流れに敏感に対応して、ルールを変えてきているのだな〜」という印象で
した。でも、1行20文字以内、1ページ26行以内、という、むか〜し作ら
れたような書式の指定がまだ残っていて、実際にA4版の紙にその書式で作成
すると、文書としては見にくいし美しくない。書いて、郵便局に持っていって、
内容を確認してもらって… となると、結構面倒なのよね〜!

 ところがです! ヒョンナきっかけで、郵便局のサイトに行ったところ、
「e内容証明」という文字。エッツ? ナニコレ?? リンクをたどって行って
みて、驚きました(と同時に、感心しました!)。
 いま、内容証明は、家に居ながらにしてインターネット経由で出せるように
なっていたのです。登録制になっていて、住所や名前、メールアドレス、クレ
ジットカードなどを登録すると、パスワードが送られてきます。それを使って
専用サイトに入ると、専用のソフトがダウンロードできるようになります。そ
のソフトを解凍してインストールすると、内容証明郵便物を出すための一連の
作業が行えるようになります。方法は、汎用のワープロソフトで、書式指定(
余白の大きさが指定されています)に従って原稿を作成し、それをイメージ化
して、その結果を郵便局に送る。郵便局はそのイメージを印刷し、1部は差出
人、1部は相手、一部は郵便局で保管する、というもの。個人情報は暗号化し
て送るようになっていて、郵便局が今、何通の内容証明を処理中か(どれぐら
い、待たされるか)ということもわかるようになっています。実際、使ってみ
ましたが、わかりやすいし、早いし、便利!

 質問に対する反応も丁寧で敏速。文字数・行数のレイアウトが自由なので、
見やすく、アピール性の高い文書作成が可能です。使う側から言えば、インタ
ーネットの特性を活かした、とても便利で気の利いた公共サービス。
 もちろん時代の流れや公共システムのあり方から言えば、「使用者側に立っ
た便利で使いやすい気持ちの良い公共サービスの提供」は社会的義務だと思う
けれど、はその義務を果たしていない組織も多いのが実際です。例えば、「自
分に都合の良い情報だけを流したり情報収集の窓口だけを設けて、利用者に便
利な情報公開をしていない」「メール・Web上からの質問・事務処理を受け
付けない」「何かと、窓口に行かないと手続きが出来ない」とかね…
 インターネットだけには限りません。自分たちが自分たちの生活をより豊か
に安全に快適にするために行われる、いわば社会的代行業務だから、従事する
人には税金で給料が支払われる公共サービスです。でもなにか、自分たちに社
会的権力が与えられているかのような錯覚を起こしている集団もあるし、横柄
な言葉使い・傲慢な態度を平気でとっている部署もあります。それを思い起こ
すと、今回の郵便局の対応はとても新鮮で、未来社会の「光」の可能性を感じ
させる気持ちの良い出来事でした。(どこかの警察とは大違いよね〜!)

 日本には昔から「親方日の丸」とか「慇懃無礼」とか「お役所仕事」とか言
われてきた体質があります。でもね、「自分たちの仕事は、そもそもどのよう
な意味を持っているのか」「そのためには、どのような業務を行って行けばよ
いのか」ということを、組織全体で考え直していくことが必要ね。

インターネットは、社会的監視の目を光らせていないと、そういった日本的体
質がまずまず増長される要素を持っています。今のうちにしっかりとそういう
社会監視の体制を作っていかないと(社会生活主体者の人たちが、従来のよう
な「お上にお任せ」的な感覚でいると)、社会は内部から崩壊していく危険性
を持っています。
 数年後の高校「情報C」「情報B」の演習では、「実際の公共システムの情
報化を調べ評価し、より有効なシステムの提案をする」なんて活動、ビシバシ
やっているようになるといいですね〜!





○あっという間に、2週間(9月です)の(2003/09/02)第98号より
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【kazumi のワープ】
    〜いま、とっても 手巻き がおいしい…!〜   小田和美
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 今回は、私がはまっている、おいしい「手巻き」をご紹介しましょう。手巻
き〜?? 火曜メルマガでお寿司の話??? いえいえ、手巻きといっても、
お寿司とは限りませんよ〜!!
 便利な世の中になってきましたね。パソコン、モバイル、携帯電話、それに
接続する周辺機器いろいろ、デジカメ、デジビデ… ボーナスの有効活用に頭
が痛〜い! でもそれだけじゃ〜ありません。実は今、わたくし、小物に少々、
はまっています。
 例えば、世界中どこへ行っても使える電源プラグ。供給電圧が同じでも、コ
ンセントの差込口の形って、国によって違うのです。でもどこの国に行っても、
その形にはまるようなアイデア小物が、何種類か売られています。それぞれご
自慢の電源プラグを持ち寄って、使い勝手を試して評価しあって楽しんでます。

 USB接続でパソコンから電気をもらって携帯電話を充電するケーブル。こ
れも便利! 出先や旅先でも、携帯電話の充電切れも心配ないし、使い切って
の再充電が可能になりますから、一石二鳥です。「貸して!」といわれること
が多い、小物です。
 電源アダプターって横幅があって、隣のコンセントの口まで塞いじゃいます
よね。そこで、20cmぐらいの、延長タップ。これまた優れもの!
  こういう感じで、低価格、でもとっても便利な優れもの小物を、見つけて
はゲットして、友だちと自慢しあっています。このグループ(永野プロジェク
ト内の有志団体ですが…)「小物クラブ」と自称しています。

 最近ゲットした中で面白いのは、シェイキングライト。その名のとおりシェ
イクする(振る)と発電されて、ライトが使えるようになる懐中電灯です。ボ
デーがスケルトンになっていて、中の構造が見えます。コイルが巻いてあって、
シェイクするたびにそのコイルの中を芯が移動しています。振るスピードや幅
を変えて、ライトの明るさの変化を調べていくうち、好奇心旺盛な子どもは「
分解してみたい欲求」にはまってしまいそうです。災害時、電源供給が途絶え
た時の世の中の混乱が気になっていた私としては、「やったね!!」の小物で
す。
 でね、もっとスゴイ「ヤッタネッ!!」の小物。それが「手巻き」なんで〜
す。
 手巻きの、ラジオ・ライト。手で巻いて発電させ・蓄電し動く、小さいラジ
オ・ライトです。ちょっとの時間まくだけで、相当使える感じです。これはス
ケルトンではないので、中が見えません。とっても、分解しちゃいたい衝動に
駆られる小物です。
 注文してあって、届くのを首長〜くして待っているものは、手巻きの携帯充
電器です。これはすごい! と、一目ぼれしてネット注文しました。もう、怖
いものナシ! 

 いま、あったらいいな〜とおもっているのは、手巻きのパソコン充電器。技
術的には不可能じゃないはずです。どうしてまだ開発されていないのかな〜…
 大企業には、おいしくないビジネス商品なのかもしれませんが、開発は大企
業でない方がいいわ。あれもこれもと、余計な機能や価格が膨れ上がって、小
物にならないもの! 小物でなければいけませんよ。チョット贅沢をガマンす
れば、お小遣いで買える程度の価格。センスも良くて、かわいくて、デモ気の
利いたパソコン充電器。こんな「おいしい手巻き」があったら、ぜったいゲッ
トだわ〜!!
 ちなみに、これらの製品は、イロイロなショップから届くDM(ダイレクトメ
ール)でチェックして、ネット検索でいくつかの製品のデザイン・機能、ショ
ップによっての価格比較をして、ネットで注文・支払いでゲットします。いや
〜、ホントに、便利で楽しい世の中になってきましたね〜!!
 そうそう最近「手巻きのラジオ・ライト・携帯電話充電器つき」というのが
出てきています。デザイン的にはかわいいのだけれど、「kazumiにとっては小
物の価格帯じゃ〜ない」のが残念…





○阪神タイガーズが優勝しましたね の(2003/09/16)第99号より
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 [5]【kazumi のワープ】
   〜失ってはじめて知る健康と情報の大切さ〜    小田和美
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 人間として生まれて生きていくとき、とても大切なことなのに普段は殆ど気
にしていないもの… いくつかありますね。失って、初めて、その大切さを知
るもの…
 大切な人とのつながり、そして健康。特に、健康は、ツイツイ後回しにしが
ち… これは多分、昔も今も、変わりない現象でしょう…

 でも、情報社会になって、そうとう、様変わりしてきたように思います。健
康に対する考え方も、対処の仕方もね。それは、健康や体に関する情報が、手
を伸ばせば確実に、得られるようになったからだと思います。健康や病気に関
連する情報は、チャンネルさえ廻せば知識として、そうとう得られるようにな
ってきました。まだまだ、社会全体が「情報の鵜呑み状態」で、「もう少し情
報の真偽性を判断できる、基礎的な科学知識があったほうがいいんじゃな〜い
?」と思うような社会現象も起きていますが…(ホラ、番組で「体にいい!」
と紹介されると、スーパーの商品棚からその商品がすぐ売り切れるとかね!)

 でも、健康に対する従来からの関心や興味が、そうとう簡単に満たされるよ
うになってきてるのは、悪いことではありません。

 医療側の、インフォームドコンセプト(病気や治療法に関する十分な説明)
も、随分と浸透してきました。薬に関する情報も、処方箋をもらうと調剤薬局
が詳しく教えてくれます。印刷してくれるサービスもありますね。
 セカンドオピニオン(病気の診断を、一箇所ではなく、別のお医者さん(病院)
にもしてもらうこと)も常識になってきました。病院によっては、病院自体が
セカンドオピニオンを患者さんに薦め、患者さんの自覚と納得と意志を促すと
ころも、出てきています。
 それだけではありません。病気に関する情報は、診察を受けた病院やお医者
さんだけからではなく、もっと広く、最先端技術までも、知ることができるよ
うになっています。そう、インターネットでね!!

 人間の体は、ありとあらゆる不思議が詰まっていて、調べだしたらキリがあ
りません。「必要なときに十分な情報を得られること!」これが大切。最近、
私の周りに起きた「ヘ〜ッ!」情報を、いくつかご紹介しますね。

 友人のお子さん(24歳)が事故の後遺症で、頚椎ヘルニアという診断を受
けました。自覚症状もあり、いろいろ治療をしてきたが効果なく、首の手術し
か方法がないという事態です。入院2ヶ月、その後2ヶ月は動けない。リハビ
リも含めると6ヶ月はあけないといけないとのこと。自分の大たい骨を移植し、
全身麻酔… 診断を下したのは大学の付属病院。別の専門医も、現状が辛いな
ら、もう手術しかないだろうという診断でした(セカンドオピニオンね!)。

 首の手術(メスを入れる)は万が一を考えると怖いです。そこで、どうした
ものかと相談を受けました。何人のお医者さんが同意見だったからといって、
私には納得できません。そこで、検索開始!!

 すごいですね〜、情報量ッ! 専門性の高いサイトを見つけ出して検索して
いくと、病気に関する知識は一気に増えていきます。結果、最新技術として、
レーザーによる手術と、その技術を持った医者一覧を発見。その友人に、情報
を送りました。お子さんはそれを元に、さらにインターネットで検索をかけ、
結局、それが都内のある病院でできることを探し出して、そこで手術を受けま
した。
 このページには、手術の方法、術後のこと、経費、症状と診断の説明などが、
写真いりで詳しく説明されていましたよ!

 結果、手術はその日のうちに終了。長期入院どころか、ひと晩で帰ってきて、
ぴんぴんしていました。なにしろ、体にメスが入らないということは、その後
の回復に大きいですからね。

 この情報はすべてインターネット。必要な情報を検索できるか出来ないかで、
こんなに違うものかと、あらためて驚きました。

 話し変わって、この夏、今度は私自身が、突然手術をしなければならないこ
とになりました。(実は、前回のメルマガの日は、病院に入院していたので〜
す!)「メスは入れない」「輸血はしない」というのが主治医の方針なのに「
今回は手術しかない」という結論でしたので、それなりの理由があるのだろう
とは思いましたが、手術となると簡単には思い切れません。

 そこで検索! ありますね、情報! 自分の体に何が起きているのか、よく
わかります。結局切らずに直すには、まだ技術が確定していないこと。試験的
に始まっている方法は、放射線科の技師が関与する方法で、術後の速やかな仕
事復帰は心配なことなどがわかり、手術に踏み切る覚悟ができました。 

 必要がないと、調べてもなかなか有効な情報にはめぐり合えません。でも、
必要は××の母とか! 教員が必要に迫られ教材を作成しようと思えば、とっ
ても有効な最先端情報が、インターネットにはゴロゴロということでもありま
す。特に、自分の体と健康を自分で管理していくこれからの社会人の育成を目
指すはずの「保健」(体育)の先生ッ!! しっかり教材作成してくださいね〜
ッ!!

 知りたいことがあったら、インターネット! でも、注意してくださいね。
似通った情報って、受け売り情報が多いんですよね〜… 情報発信者の立場・
専門性は、重々、要厳重チェックですよ〜!! 

 (いまは、手術も無事済んで、リハビリ中。まだ動作は健康なときの2分の1。
でもすぐもとに戻るでしょう。ご心配ありがとうございます)





○ほんとうに 100号を 迎えたよ おめでとう の 第100号特集(1)より

■ふりかえってみれば、びっくり  小田和美


 2000年1月24日(月)23:26に、メルマガ1号が届きました。3年と8ヶ月前です。
そして今回で100号(実際には、97号)。創刊号からメルマガを購読してくださ
った読者の方も多いと思います(調べによると現在の読者は約3150名)。それ
ぞれの方にそれぞれの年月が流れ、日本全体も教育の姿も、徐々に変わってき
ました。
 なんとなく、今の状態が昔から続いていたような気がしていましたが、3年
と8ヶ月前をじっくり、メールを読み返したりして振り返ってみました。チョ
ット驚き!

 実は私、そのころはまだ、SONYのCF−1というカメラつきのパソコン
を使っていました。出先からメールを送受信するには、グレー電話からモデム
で接続。大学にはネットワークがまだきてなくて、メールの送受信には、大学
の内線電話の回線を使ってました。P-inは、その半年ぐらい前から出回って
いたように思いますが、私が使い始めたのは、もう少し後だったような… A
DSLなんて、噂話だけ。ウィルスを警戒するという話も、「少しおおげさじゃ
な〜い?」みたいな雰囲気があって、「メールの扱いに注意していれば、まず
安心」な頃でした。インターネットの検索といっても、回線は遅かったですね。



 新しい教育が始まる! と言っても、あまり信じてもらえない時代で、ある
研究会で「これからの情報教育」の話をしたら、「それは小田さんの想いであ
って、現実とかけ離れている!」という反論? を受けましたっけ… アハハ
… いまでこそ、笑い話ですがね。。。

 今は、永野プロジェクトとして、多くの現場の実践が動き出しています。新
しい先生もどんどん、参加されてきています。もちろんそのような先生方の多
くは、メルマガが始まるよりももっと以前から、現場で情報教育な授業を心が
けてこられたことと思いますが、でも、思い返してみてください。今の自分と
4年前の自分と… 自分で自分を褒めてあげたいくらい、変わっていませんか
?? 

 学習って、変化の積み重ねだと思います。子供たちの心の中に、未来に向か
う完成や能力などの変化を起こさせるのが学習だとすれば、それはこの4年間、
私たち自身の中でも、起きてきたように思いませんか?? 
 社会全体が、そして社会の中の一人一人が、これからの4年間も、形だけで
はない自分の内部での学習を積み重ねていけたら、4年後の日本は、チョット素
敵な国に変わっていると思います。そうなると、いいな〜!!